「自治体におけるメタバースの活用事例やメリットを解説」
メタバースはインターネット上の仮想空間であり、人々が自由に交流し、新たな体験を共有できる場です。
そんなメタバースを自治体が活用することで、未来の地域づくりに新たな可能性が広がります。
この記事では、自治体がメタバースを活用して地域の活性化や行政サービスの向上を図る方法を紹介します。
地域の魅力を発信し、若者の移住を促進したり、観光やショッピングの体験の提供などのあらゆる事例を通じて、メタバースが地域振興にどのように貢献できるのかをご紹介するので、ぜひ最後までご一読ください。
メタバースとは
そもそもメタバースとは、
- 仮想現実(VR)
- 拡張現実(AR)
- オンラインゲーム
- ソーシャルメディア
- そのほかのデジタルプラットフォームを統合したインターネット上の仮想空間のこと
を指します。
これは、現実世界の物理的な制約を超えて、人々が仮想空間内で相互作用し、活動することを可能にします。
メタバースはインターネット上の仮想空間
では、メタバースは具体的にどのようなことができるのでしょうか?
また、メタバースのよい点なども気になりますね。
ここでは、メタバースについて掘り下げていきますので、より詳しく見ていきましょう!
アバターと呼ばれる自分の分身で仮想空間に入る
メタバースでは、ユーザーは「アバター」と呼ばれる仮想的な自己表現を用いて、仮想空間に参加します。
これらのアバターは、ユーザーが自分自身を表現し、ほかのユーザーとのコミュニケーションや活動を行うための手段です。
アバターは、ユーザーが外見や特性をカスタマイズし、仮想空間内で個性を表現するのに使われます。
メタバース上では他人とコミュニケーションがとれる
メタバースは、仮想空間内でほかの参加者とのコミュニケーションを促進します。
テキストチャット、音声通話、アバターを通じた身振り手振りなどの手段を利用して、リアルタイムで意見や感情を共有し、他者と交流できます。
このようなコミュニケーションの場は、地理的な距離を越え、世界中の人々とつながり、新たな友人や仲間を見つける機会を提供します。
メタバースは、個々のユーザーが自由に表現し、多様なコミュニティと交流する場を提供します。
メタバースのメリット
メタバースのメリットは次のようなものが挙げられます。
- 仮想空間で離れたところにいる人とも一体感が味わえる
- 自由度が高いコミュニケーションがとれる
- 地方創生につながる可能性がある
それぞれのメリットについて詳しく紹介していきます。
仮想空間で離れたところにいる人とも一体感が味わえる
メタバースにおいて、遠く離れた場所にいる人々ともリアルな一体感を体験できます。
仮想空間内でのコラボレーションやイベント参加を通じて、地理的な距離を超えて結ばれた感覚を得られます。
アバターを介した身振りや表情、リアルな対話が、仮想空間を通じて共有され、参加者同士のつながりを深められます。
これにより、地理的な隔たりを感じさせず、一緒に体験を共有できる新たなコミュニケーションの形が生まれます。
自由度が高いコミュニケーションがとれる
メタバースでは、アバターを通じて身振りや表情を含む豊かなコミュニケーションが可能です。
テキスト、音声、アバターの動きを組み合わせて、個々の好みや文化に応じた自由なコミュニケーションが実現します。
また、リアルな制約がないため、人々は自分らしく表現し、リッチな対話を楽しめます。
このようなコミュニケーションを通じて、親近感を感じてもらえるでしょう。
地方創生につながる可能性がある
メタバースを上手に活用することで、今後の地域経済の活性化や観光振興につながることでしょう。
例えば、
- 仮想空間で地域の文化や観光名所を再現し、世界中の人々に体験してもらう
- 地域の特産品や工芸品を仮想空間で販売する
- 地域イベントやワークショップをメタバース上で開催する
このような活動により、
- 地域の魅力が発信できる
- 地域産業の振興も期待できる
- 地域コミュニティの交流を促進し、地方の活性化に貢献できる
など、さまざまな効果が期待できます。
メタバースを自治体で活用する方法
ここからは、自治体がメタバースを活用して、地域の活性化や、地域おこしに貢献する方法を以下で紹介していきます。
地域活性化や地域おこしに役立てる
メタバースを上手に活用することで、地域活性化や地域おこしに役立てることができます。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
-
若者の移住者を獲得するのに活用
-
知名度をあげる広告やPRに活用
-
経済効果を高めるために活用
それぞれ詳しく紹介していきます。
若者の移住者を獲得するのに活用
メタバースは、若者の移住者を獲得するための新たな手段として活用されています。
仮想空間を通じて、地域の魅力や生活環境を体験し、コミュニティとの関わりを築くことができます。
メタバースを活用して、地域のイベントやアクティビティを仮想空間で開催し、地域の魅力をアピールすることで、若者が地方への移住を選択する動機付けになります。
メタバースを通じたコミュニケーションや交流は、地域と若者の間のつながりを強化し、新たな移住者を引き寄せる手助けとなります。
知名度をあげる広告やPRに活用
メタバースは、新たな広告やPRのプラットフォームとして利用されています。
仮想空間内でのブランド展示やイベント、仮想的な体験を通じて、参加者にブランドや製品を実体験させることが可能です。
また、仮想空間内でのコラボレーションやコミュニケーションを通じて、参加者との関係を深め、地域や地域発祥のブランドの知名度を高められます。
これにより、従来の広告やPR手法では到達できなかった若年層や、デジタルネイティブ層にも大いにアプローチできるようになります。
経済効果を高めるために活用
メタバースは、自治体の収益を向上させるための有力な手段となっています。
例えば、仮想空間内での商品販売やサービス提供を通じて、新たな収益源を確保できます。
また、メタバースを活用した観光ツアーやイベントの開催によって、地域への観光客を増やし、観光収入を拡大できます。
さらに、自治体がメタバース内での不動産や土地の販売を促進することで、地域経済の活性化が期待できます。
これらの取り組みによって、地方自治体は経済効果を高め、持続可能な発展を実現できます。
行政サービスに活かす
メタバースは、以下のようなかたちで、行政サービスにも活かせます。
- 住民票などの窓口業務に活用
-
ふるさと納税事業に活用
それぞれ詳しく紹介していきます。
住民票などの窓口業務に活用
メタバースを窓口業務に活用することで、住民票の取得や各種手続きをオンライン上で行うことが可能になります。
これにより、時間や移動の手間を省き、住民サービスの利便性を向上させられます。
また、メタバース内での窓口業務は、地域の自治体や行政機関の効率化にもつながります。
住民は自宅から手続きを行うことができ、行政機関は業務効率を向上できます。これにより、地域全体の生活の質が向上し、行政サービスの提供が円滑化されます。
ふるさと納税事業に活用
自治体はメタバースをふるさと納税事業に活用し、仮想空間内で寄付や特典の提供を実施している自治体もあります。
参加者はアバターを操作し、地域の魅力や特産品を体験し、寄付を行います。
これにより、ふるさとへの関心を高め、地域経済の活性化や観光振興に貢献しています。
【自治体×メタバース】の実際の活用事例を紹介
ここからは、自治体×メタバースの実際の活用事例を紹介していきます!
事例1:地方都市の観光体験事業
まず、自治体がメタバースを活用した地方都市の観光体験事業を紹介します。
- バーチャル沖縄
- デジタルモール嬉野
以下で詳しく解説していきます
「バーチャル沖縄」(沖縄県)
「バーチャル沖縄」は、沖縄県が展開する仮想空間プロジェクトです。
このプロジェクトでは、沖縄の美しい自然や文化を体験できる仮想空間が構築され、世界中の人々にリアルタイムで魅力を発信しています。
アバターを通じて仮想の沖縄を探索し、伝統的な民族衣装や沖縄料理を楽しめます。
さらに、地元の観光施設やイベントも仮想空間で体験でき、実際に訪れる前にリサーチするのに最適です。
バーチャル沖縄は、沖縄の魅力を世界に発信し、観光振興や地域経済の活性化に貢献しています。
「デジタルモール嬉野」(佐賀県嬉野市)
「デジタルモール嬉野」は、佐賀県嬉野市が展開する新しいデジタルショッピング体験です。
このプロジェクトでは、伝統的な商店街をモチーフにした仮想空間が構築され、地元の特産品や観光情報がオンラインで提供されます。
アバターを操作して仮想の商店街を散策し、商品を購入したり、地元のイベントに参加したりできます。
デジタルモール嬉野は、地域の商店街活性化や観光振興に貢献し、新たなデジタルエコノミーの構築を目指しています。
「山梨県立美術館メタバース活用プロジェクト」(山梨県)
「山梨県立美術館メタバース活用プロジェクト」は、山梨県立美術館が展開するメタバースプロジェクトです。
このプロジェクトでは、現実世界とバーチャル世界両方で楽しむことができるアート展示が実施されています。
山梨県出身の現代美術家たかくらかずき氏が参加し、メタバースを作品の展示に活用する取り組みが進められています。
現実の美術館で展示される作品がバーチャル空間でも楽しめるようになっており、訪れる人々は自分のアバターを通じてバーチャル美術館を探索し、作品を鑑賞できます。
これにより、山梨県立美術館は新たな観光スポットとして注目され、観光振興や地域経済の活性化に大きく貢献しています。
事例2:住民向け事業
次に自治体がメタバースを活用した住宅向け事業を紹介します。
- 電子住民票
- メタカープ
それぞれ詳しく解説していきます!
「電子住民票」(新潟県山古志)
「電子住民票」は、新潟県山古志地域が導入した先進的な行政サービスです。
この取り組みでは、従来の紙の住民票を電子化し、オンラインで簡単に取得できるようにしています。
そのため、地域住民は専用のウェブサイトやアプリを通じて、いつでもどこでも住民票を取得できます。
これにより、行政手続きの効率化が図られ、住民の利便性が向上します。電子住民票は、山古志地域のデジタル化と地域コミュニティの発展に貢献しています。
「メタカープ」(広島県三原市)
「メタカープ」は、広島県三原市が推進する先進的な地域振興プロジェクトです。
このプロジェクトでは、メタバースを活用して地域の観光名所や特産品を仮想空間上に再現し、世界中の人々にアピールします。
アバターを操作して仮想の三原市を体験し、地域の魅力を発見できます。
また、仮想空間での地域イベントや観光ツアーの開催も予定されており、地域経済の活性化や観光振興に寄与することが期待されています。
メタカープは、三原市の魅力を世界に発信し、地域の発展を支援します。
事例3:婚活事業
最後に自治体がメタバースを活用した婚活向け事業を紹介します。
- marry360
- GAIA TOWN
以下で詳しく解説していきます!
「marry360」(山形県村山市)
「marry360」は、山形県村山市が提案する革新的な結婚式体験プロジェクトです。
このプロジェクトでは、メタバースを活用して結婚式をリアルタイムで仮想空間上に再現します。
参加者は、アバターを操作して仮想会場を訪れ、花婿や花嫁として結婚式を体験できます。
さらに、地元の結婚関連業者が仮想空間内でサービスを提供し、参加者に特別な体験を提供します。
marry360は、結婚式の新しい形を提案し、山形県村山市の観光振興と地域経済の活性化に貢献します。
「GAIA TOWN」(千葉県木更津市など)
「GAIA TOWN」は千葉県木更津市などが展開する、革新的な地域活性化プロジェクトです。
このプロジェクトでは、メタバースを活用して木更津市の魅力を仮想空間上に再現し、世界中の人々にアピールします。
参加者は、仮想空間内で木更津市の観光名所や特産品を体験し、地域の文化やイベントに参加できます。
地元の企業や団体も仮想空間でのプレゼンスを強化し、地域経済の活性化に貢献します。
GAIA TOWNは、地域の魅力を新たな形で発信し、地域社会の発展を支援します。
まとめ
いかがでしたか?
地方が抱える課題解決の手段として、自治体によるメタバース活用のメリットや活用事例などを紹介しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- メタバースとはインターネット上に創り上げられた3次元の仮想空間のこと
- メタバースを地方創生の推進に活用している自治体が増えている
- メタバースの活用メリットは「仮想空間で離れたところにいる人とも一体感が味わえる」や「自由度が高いコミュニケーションがとれる」など
- メタバースの活用事例は「バーチャル沖縄」や「 デジタルモール嬉野」などがある
メタバースはゲームをはじめ、エンターテイメント業界での活用が目立っていますが、本記事で紹介したように、各自治体でも地方創生のための活用が次々と進められています。
現地に出向くことが難しい人に対しても、地域の魅力を伝えられる点は、メタバースの大きな魅力でしょう。
今後も、地方創生の実現に向けての適切な活用が期待されています。