2024年2月、世界的に有名な大手IT企業の「Apple」が、Appleが発売した空間コンピュータの「Apple Vision Pro」を発売して話題となりました。
この記事ではARを使った様々なアイディアやサービスについて知りたい人へ向けて、様々な実例をもとに解説していきます。
この記事では様々なARサービスの事例をまとめました。
「AR」を使ったサービスにはどのようなものがあるのか気になっている方はぜひ最後までご覧ください!
ここでは、ARの基本的な説明やARを使うことのメリットについてまとめました。
ARの概要や仕組みの理解を深めるため、
について詳しく解説していきます。
AR(Augmented Reality)とは拡張現実という意味で、端末を通じて仮想空間のデジタルコンテンツを現実世界と重ね合わせ、現実を拡張する(情報量を増やす)技術や仕組みを指します。
たとえば、大手家具屋の「ニトリ」は「NITORI AR」というARサービスを提供しています。
NITORI ARはスマートフォンを自宅の部屋にかざすと、画面上の室内にソファーや机などが実物大で表示され、メジャー不要でサイズや色合わせの確認ができます。
これにより、近くに店舗がない場合でもネット通販だけで家具を購入することができ、販売促進の効果が期待できます。
ARを使うメリットは以下の通りです。
ARはエンターテイメント体験にも活用できることから、今までにないアイデアや新感覚のゲーム体験を生み出しました。
たとえば、「株式会社meleap」が企画・開発・運営している「HADO モンスターバトル」という体感ゲームがあります。
HADO モンスターバトルはVRゴーグル越しにモンスターが映し出され、ファイヤーボールを当てて倒す体感ゲームです。
ファンタジー世界でモンスターを討伐しているかのような高い没入感を味わうことができ、エンターテイメントの可能性を広げました。
ARは集客にも高い効果があるため、PRや広告にも活用できます。
たとえば、「株式会社すかいらーくホールディングス」が運営している大手飲食チェーン店の「ガスト」では期間限定のキャンペーンとして「お花見ガスト」を実施しました。
お花見ガストでは、お店の内装を「桜」仕様にして春の訪れの演出に加え、メニュー表ウラ面のQRコードをスマートフォンで読み込むと、画面上に「AR桜」が現れ、華を添えてくれます。
これにより、天気や場所に関係なくお花見気分を味わいながら食事を楽しむことができました。
ARによって様々なビジネスを展開することが期待されます。
たとえば、ARグラスの開発・販売メーカーである「日本Xreal株式会社」と「鯖江商工会議所」が主催した『メイド フロム 2024』では、今までにない画期的な展示会が開催されました。
メイド フロム2024は、福井県鯖江市のメガネや漆器などの特産品を手にとって確認できるだけでなく、ARグラスを利用したバーチャルモール内で展示品の購入もできます。
現実とバーチャルを融合させたショッピング体験を通じて、新しいビジネスチャンスを創出しました。
ここではARを活用して話題になったものや変わったものなど、様々な事例をまとめました。
ゲームにARを導入した事例として、「株式会社ナイアンティック」が開発した「ポケモンGO」が世界的に有名です。
ポケモンGOはスマートフォンの位置情報を使って、現実世界そのものを舞台として遊べるゲームです。
また、ポケモンを捕まえたり対戦して競うには、現実世界を移動する必要があるため、適度に外出して健康的にゲームを楽しめます。
これにより、2016年のリリースから爆発的にヒットし、2023年12月の国内ユーザー数は433万人となっています。
スポーツ観戦にARを導入した事例として、「楽天モバイル株式会社」と「株式会社楽天野球団」が開発した「インタラクティブ応援」という実証実験があります。
インタラクティブ応援は「楽天モバイルパーク宮城球場」で実施され、スタジアムにスマートフォンをかざすことで画面上に選手の投球実績や打球方向が表示されます。
自分の好きなタイミングでAR花火を打ち上げたり、他のファンとAR花火を共有できるので、選手のファインプレーを一緒に応援することもできます。
ファン同士の一体感を高めながら選手の活躍を応援することができ、試合観戦の楽しさが倍増します。
スポーツ観戦にARを導入した事例として、「KDDI」と「 株式会社アルビレックス新潟」が連携、提供した「au 5G 体感シート」が話題になりました。
「デンカビッグスワンスタジアム」で販売されたau 5G 体感シートの座席からスマートフォンをスタジアムへかざすと、画面上にスタッツ情報(チームや出場選手の成績表)が表示されます。
また、シュートやフリーキック、オフサイドなどの試合進行に合わせた情報をチェックでき、試合観戦をより楽しむことができます。
フィットネスにARを導入した事例として、韓国メーカーの「Twohands Interactive」が開発した「DIDIM」が、日本テレビ「スッキリ」で取り上げられ反響を呼びました。
「DIDIM」は床に投影された映像に合わせて身体を動かすことで、80種類以上のフィットネスやゲームを楽しめます。
また、保育園・病院・商業施設・温浴施設・体験イベントなど多様な施設で導入され、年齢を問わず多くのユーザーを楽しませています。
博物館にARを導入した事例として、「アップフロンティア株式会社」と「株式会社エコルシステム」が提供した「熱帯植物虫めがねAR」が挙げられます。
熱帯植物虫めがねARは「東京都夢の島熱帯植物館」に設置されたARマーカー(QRコード)をスマートフォンから読み込むことで起動します。
館内に展示された様々な植物の解説や動画を観ることができ、知的好奇心や探究心を満たして来場者を楽しませてくれました。
観光にARを導入した事例として、「大阪水上バス株式会社」が開催した「水都大阪・見守り隊イマーシブクルーズ」(以下:イマーシブクルーズ)が挙げられます。
イマーシブクルーズは大阪城周辺で運航され、運航中にiPhoneをかざすと画面上にカッパや巨大な鯉、龍などが現れ、幻想的でひと味違ったクルーズ体験が楽しめます。
防災にARを導入した事例として、「一般社団法人 AR防災」が提供している「災害ボランティア養成講座」が画期的だと話題です。
「災害ボランティア養成講座」はVRゴーグルを介して、室内にいながら火事による煙や洪水による浸水が発生した場合、どのような状況に陥るのかをリアルに体験できます。
これにより、手軽にどこでもリアルな被災体験が可能となり、防災意識の向上が期待できます。
自治会の地域コミュニケーションの活性を目的としたAR導入事例として、「クラウドサーカス株式会社」が開発した「長洲町魅力発見ARかるた」をご紹介します。
「長洲町魅力発見ARかるた」は紙のオリジナルかるたにスマートフォンをかざすと、熊本県長洲町の行事や名所、名産物などをテキストや動画で解説してくれます。
町内の魅力や知らなかったことを町民の方に伝えると共に、コミュニケーションのきっかけ作りにも貢献してくれます。
展覧会にARを導入した事例として、「東京シティビュー」で開催された「妖怪 百鬼夜行展」が話題になりました。
「妖怪 百鬼夜行展」の中の「妖怪カメラAR」のコーナーでは、ARマーカー(QRコード)にスマートフォンをかざすと、画面上に「がしゃどくろ」等の様々な妖怪が出現し、記念写真を取ることができます。
SNSでの拡散性が高く話題性作りや、集客効果が期待できます。
博物館にARを導入した事例として、「スミソニアン博物館」で使用できる「Skin&Bones」がユニークです。
Skin&Bonesは、館内に展示されているマントヒヒやカジキなどの骨格標本にタブレット端末をかざすと、画面上に生前の肉付けされた状態で表示されるので、多角的に生物について学ぶことができます。
知的好奇心が満たされ、顧客満足度の向上が期待できます。
小売業でARを活用した事例として、「Dentsu Lab Tokyo」と「株式会社パルコ」が共同開催した「マツケンARパレード」が話題になりました。
マツケンARパレードは「全国のパルコ」で開催された1日限りの期間限定キャンペーンです。
店舗に設置されたARマーカー(QRコード)にスマートフォンをかざすと、画面上にマツケンやロボマツケンなどが出現。
ゴージャスなパレードを披露して来場者を楽しませ、SNSでは「尖ってる」「笑いが止まらない」など大反響をよびました。
おもしろいARの導入事例として、「株式会社HIKKY」が主催した「バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ」(以下:バーチャルマーケット)が挙げられます。
「バーチャルマーケット」は渋谷と原宿を舞台にリアルとバーチャルの境界をぼかすことで、新たな体験を創出した体験型のイベントです。
このイベントの一環として実施された「ARスタンプラリー」では、市内にある各会場や協力店舗に設置されたARマーカー(QRコード)にスマートフォンをかざすと、スタンプがゲットできます。
一定数のスタンプを集めると豪華賞品に応募でき、全会場のスタンプを集めると当選確率がアップする仕組みで、周遊性の向上に貢献しました。
水族館にARを導入した事例として、国内ベンチャーである「Linne」が開発した「LINNÉ LENS」が挙げられます。
LINNÉ LENSは全国の水族館で導入されており、水槽の中を泳ぐ魚介類や哺乳類にスマートフォンをかざすと、生き物の名前や情報を表示してくれます。
これにより、スマートフォンが一瞬で図鑑に早変わりし、「楽しみながら生き物の情報が知れる」と反響を呼んでいます。
商店街にARを導入した事例として、「株式会社Psychic VR Lab」が開発した「品川XRアクアガーデン」が挙げられます。
「品川XRアクアガーデン」は、ヘッドマウントディスプレイやスマートフォンを用いて、ライトアップされたイルミネーション空間の中で、光の海の中を歩いているかのような没入感のある体験ができます。
これにより、どこでも簡単に幻想的な光の海ツアーを楽しむことができます。
日常的に使えるARの導入事例として、「株式会社OGATORE」が開発した「オガトレHIT」が便利です。
「オガトレHIT」は、スマートフォンのインカメラで自分を画面に投影しながら、画面上の指示とリズムに合わせて上半身を動かす新感覚のリズムゲームです。
また、やんわりとストレッチが楽しめる「ノーマルモード」と、運動強度が高く激しめのストレッチ体験ができる「ハードモード」の2種類から選べます。
ゲーム感覚で楽しくストレッチを継続でき、運動不足の解消が期待できます。
プロモーションに使えるARの導入事例として、「KDDI株式会社」「一般社団法人渋谷未来デザイン」「一般財団法人渋谷区観光協会」が運営した「UNLIMITED REALITY」が話題となりました。
UNLIMITED REALITYは渋谷PARCOで開催された「攻殻機動隊 SAC_2045」(以下:攻殻機動隊)のPRイベントです。
本イベントでは、ARグラスの「NrealLight」越しに攻殻機動隊のマスコットキャラである「タチコマ」とのコミュニケーションを楽しめます。
また、渋谷の街中に貼られたポスターのARマーカー(QRコード)からAR空間にアクセスして作中のキャラを探し出し、撮影した写真をSNSに投稿するとオリジナルグッズが当たります。
これにより、SNS上での話題作りや集客に貢献しました。
日常的に使えるARの導入事例として、「Google」が開発した「Googleマップ」の「インドア ライブビュー」が便利です。
「インドア ライブビュー」はARを使ったナビゲーション機能で、屋内風景にスマートフォンをかざすと画面上に屋内風景を写しながら、リアルタイムで目的地への進行方向を案内してくれます。
また、GPSや電波が届きにくい地下鉄の駅構内でも案内可能なので、道に迷いやすい地下にいても重宝します。
忙しいビジネスパーソンの強い味方となるでしょう。
日常的に使えるARの導入事例として、「株式会社メディアバーン」が開発した「めし探」が便利です。
めし探は風景にスマートフォンをかざすと、近くにある飲食店の場所を教えてくれます。
また、グルメサイトやGoogleマップと連携しているので、お店の情報やお店までのルートを確認できます。
直感的に近隣の飲食店を把握できるため、未開拓のお店をサクッと決めるのに重宝します。
少し変わったARの導入事例として、「株式会社カクシン」が開発した「Shibuya Hachi」が挙げられます。
Shibuya HachiはTikTok用のARフィルターで、スマートフォンを介してどこでも渋谷のシンボル犬である「ハチ」と、動画や写真を楽しめます。
また、ARフィルターを使って「#ハチと新生活宣言」チャレンジに参加することで、自身の夢や目標を公開して相互に応援し合えます。新生活がスタートする時期にもぴったりです。
おもしろいARの導入事例として、「一般社団法人日本eスポーツ連合」が監修し、エナジードリンクの「ZONe」が開発した「eスポーツテスト2021」が挙げられます。
「eスポーツテスト2021」はプレイヤーの集中力を測定するゲームアプリで、スマートフォンの画面上に投影された自分の顔と手を動かして操作します。
スコアが高くなるにつれて、画面上に投影された自身の顔をARフィルターで加工する演出が、ゲームをさらに盛り上げてくれます。
ARとはどんな技術でどのようなメリットがあり、どういったケースで導入されているのか、20個の事例に絞って詳しく解説しました。
ビジネス分野におけるARは、
などの効果が期待できます。
ARは発展途上の技術なので技術が進歩すれば、より多くの業界・業種で活用されることが見込まれます。
今はご自身の業界とはあまり馴染みがなくても、数年後にはARが活用できる可能性も大いにあります。
これからもARの活躍には目が離せません!