ARライブは、現実世界に仮想的な情報を重ね合わせる技術を利用して、リアルタイムで視聴者に新しいエンターテインメント体験を提供するイベントです。
この記事では、AR・VR・MRの違いやARライブの種類、そしてそのメリットや活用事例について解説します。
ARライブとは、拡張現実(AR)技術を用いて、リアルタイムでAR技術を使用して配信されるライブイベントのことです。
通常のライブイベントにAR技術を組み込むことで、視聴者により深い体験や臨場感を提供でき、ライブイベントをさらに楽しく、豊かなものにできます。
AR、VR、MRはそれぞれ異なる技術です。
それぞれ、用途や技術が異なりますので、取り入れたい技術を用いましょう。
ARライブには、主に
の2つの種類があります。
それぞれ異なる方法で視聴者とARライブを共有でき、多様な利用シーンに対応しています。
ARライブは、AR技術をリアルタイムで使用し、デバイスを通じて配信される、最新型のライブイベントです。
視聴者はスマートフォンやタブレット、パソコンなどのARデバイスを使用して、現実世界に仮想的なコンテンツを見られることから、TVなどの通常配信よりもさらに臨場感あふれるライブを楽しめます。
オンラインARライブは、インターネット経由で配信されるARライブです。視聴者は自宅やどこからでもスマートフォンやパソコンを使って、リモートで参加や視聴できます。
この形式では、リアルな会場にいなくてもライブの臨場感を楽しめます。
オンラインARライブは、ライブの現地にいない人たちが、ライブにいるかのようにリモートで観覧するために使います。
オフラインARライブは、現地などの会場で行われるARライブです。
参加者はライブ会場に集まり、その場でARデバイスを使用して、ライブの演出や体験を楽しむことができます。
この形式では、リアルなイベントの臨場感とAR技術の融合が魅力です。
こちらは主に、現地のライブの参加者に向けて、ライブの演出時に使用されます。
ARライブは、主催者と視聴者の両方にさまざまなメリットをもたらします。
ここでは、それぞれの具体的なメリットについてお伝えしていきます。
ARライブを主催する際のメリットは以下になります。
では、詳しく見ていきましょう。
ARライブは、いままでにない斬新なライブを提供できることから、視聴者に新しいライブを体験してもらうことができます。
リアルな世界に仮想的なコンテンツを重ねることで、視聴者の興味を引き、イベントへの満足度を高められます。
例えば、オンラインARライブでは、物理的な会場や機材の設置が不要となります。
そのため、イベントの運営コストを大幅に削減できます。
また、演出などに利用したオフラインARライブであっても、再度のAR利用なども可能となることから、コスト削減ができる可能性が高くなります。
ARライブは、今までとは違った新しい試みになります。そのため、広告やスポンサーシップなどの追加収益源を組み込むことができます。
また、視聴者の興味を引くARコンテンツやブランドプロモーションを行うことで、話題性に富んでいることから、新たな収益を生み出したり、新しい層にアタックできる可能性を秘めています。
このように、AR技術を活用することで、従来の広告や宣伝に比べて費用対効果が高いことから、新しい収益に繋がる可能性が高いと考えられます。
続いては、ARライブを視聴する視聴者にとってのメリットを見ていきましょう。
ARライブは今までの通常のライブとは違った演出や臨場感、新しい楽しみが提供できます。
ARを通じて、リアルな世界に仮想的なコンテンツを重ね合わせることで、視聴者の興味をより引きつけられます。
通常のビデオや配信に比べて、より深い視聴体験が可能であり、飽きずに長時間楽しめるでしょう。
オンラインARライブでは、インターネットに接続されている場所なら、どこからでも視聴できます。リアルタイムでライブを楽しめることから、全国どの場所にいても、どこでも快適にイベントを楽しめます。
ARライブは様々な分野で活用され、その効果が広く認められています。
以下に、いくつかの具体的な事例を紹介します。
2024年4月14日に開催されたにじさんじENによるARライブです。にじさんじENとは、海外向けのにじさんじVTuberグループのことです。
ARを使った歌、ダンス、バラエティ、生バンド演奏は来場者に大変好評で、VTuberが王冠を被っているように見せるAR演出もありました。
「ホロライブ SUPER EXPO 2024」は、2024年3月に幕張メッセで行われたARライブです。ARの技術を使用し、VTuberが実際にそこでパフォーマンスしているように見え、臨場感溢れるライブとなりました。また、バイノーラルマイクによる立体音響演出もありました。
「ホロライブ SUPER EXPO 2024 後夜祭」では、掻き下ろしイラストを使用したVTuberたちと記念写真が撮れるARフォト企画も実施されました。
Ado SPECIAL LIVE 2024「心臓」は、2024年4月に国立競技場で開催されました。このステージではAR技術を使用し、ドローンも重要な役割を果たしました。ドローンはライブ会場を飛び回り、リアルタイムで映像を共有しました。
また、Adoが歌を始めるきっかけとなった初音ミクと「桜日和とタイムマシン」をデュエットしているような演出や、「DIGNITY」の楽曲提供をしてくれたB’zの松本孝弘がシークレットゲストとして、ホログラム技術で3D映像がステージ上に登場する演出も会場を沸かせました。
2020年にリアルで開催したライブを撮影してAR動画として、いきものがかりはソニーストア 銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡店でARライブイベント「いきものがかり「WHO?」Special Experience in Sony Store」をコロナ禍の2020年3月15日〜4月4日に行いました。
ソニーストアに設置されたXperiaからライブを視聴できるというもので、「Volumetric Capture」というAR技術を使い、現実では体感できない360度全ての角度から立体映像ライブを見ることができました。
株式会社Psychic VR Lab、株式会社パルコ、株式会社ロフトワークによる共同プロジェクト「NEWVIEW」で、「NEWVIEW FEST 2022」が行われました。
そして、VTuberであるキズナアイの歌唱に特化したAI「#kzn」による「NEWVIEW ULTRA XR LIVE」が開催されました。
「NEWVIEW ULTRA XR LIVE」では、「#kzn」が渋谷スクランブル交差点でライブパフォーマンスする様子をタブレットを通して体験することができました。
ARライブは今までにない楽しみ方や、臨場感あふれるライブを提供できる、革新的な技術です。
ARライブを取り入れることで、主催者は
などの効果が期待できます。
視聴者や参加者にとっても、今までとは違ったライブの楽しみ方や演出に、興奮すること間違いなし。
より多くのファン層に響くことでしょう。
これにより、イベントやコンテンツの魅力が高まり、新たな体験やアイデアが生まれていきます。
ARライブの活用はさまざまな分野で広がりを見せ、今後の発展が期待されます。