みなさん、イベントはお好きですか?
スタンプラリーに展示会、フォトブース。
ひとりで楽しむもよし、友だちや家族と楽しむもよし!
ワクワクして楽しい気持ちを体験できるイベントが好きという方も、多いのではないでしょうか。
IT開発が進んだ昨今では、「AR(Augmented Reality)」を活用したイベントが年々増えています。
とくにGW(ゴールデンウィーク)は、ARを用いたイベントが数多く開催される期間です。
除々に人気を高めているARイベントとは何か、その魅力を徹底解説します。
「そもそもARイベントって何?」「ARって言葉を初めて聞いた」という方もいるのではないでしょうか。
まずはARがどんなものであるかということを、ご説明します。
ARイベントとは、現実世界でARを使用したイベントです。
ARは和訳すると「拡張現実」となります。
これはスマートフォンやスマートグラスを通して、現実世界にCG画像や映像を重ね合わせることです。
数年前までは、ARをリアルのイベントで使用するときに、専用機材を準備する必要がありました。
しかし、現在はIT分野が進化し、
といった、家電量販店で手に入れられるIT機器を使用して、気軽にARを用いたリアルイベントが行えるようになりました。
スマートフォンなどを使用することで、現実世界にCGで作られた架空世界を重ね合わせたエンターテイメントの世界を楽しむイベントが、ARイベントです。
ARは「XR(Cross Reality)」という現実世界に存在しないものを、リアルに体感できる技術の一種です。
よく似た言葉に「VR」と「MR」があります。
VRとは、VRを表示するデバイスを装着して、仮想空間を楽しむものです。
一方で、ARはスマートフォンなどの機械でCGの画像・映像を現実世界に写して、楽しむものになります。
また、MRはARを元に、さらにその範囲を広くしたものになります。
ARは一定の角度からの画像・映像にしか対応できませんが、MRは360度と全方位からCGを目にすることができます。
ARの代表としては、世界的に大ヒットし、社会現象を巻き起こしたスマートフォンアプリの「ポケモンGO」をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
最近では、ARは多くの場面や分野で活用されています。
ARでできることや、実際に活用されている例を分野別にご紹介します。
1.業務の効率化に活用 |
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2.育成に活用 |
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3.体験やシミュレーションツールとして活用 |
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4.商品の販売促進とプロモーションに活用 |
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5.そのほかさまざまなツールやエンタメとして活用 |
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ここでは、ARイベントの一例として
について詳しくご説明します。
スマートフォンやタブレットを用いたスタンプラリーがARで実現できます。
ARなら台紙やスタンプが不要で、お客様は手持ちのスマートフォンやタブレットですぐに参加できます。
漫画家ナガノさんの作品「なんか小さいやつ」で有名な「ちいかわ」がARでのスタンプラリーを行い、話題となりました。
こちらは、スマートフォンのカメラ機能を用いたスタンプラリーです。
おなじみのキャラクターたちのスタンドパネルに記載されたQRコードを読み込むと、キャラクターのAR画像が読み込まれ、スタンプを獲得し景品をゲットできます。
幅広い世代に認知され、SNSでも大変話題となりました。
ARの展示会はソフトウェアで情報を提供できることから、施設工事のコストと時間を大幅に費用をカットできます。
展示会に設置する什器や模型のサンプルも、3DモデルをARで表示できるため、複数回にわたり利用でき、コストカットができます。
「BMW」はベルギーのブリュッセルにオープンしたショールームで、ARを用いた展示会を行いました。
展示物であるエンジンの前に置かれたタブレットを通して、エンジンを立体的に見ることができます。
今まで見ることのできなかった内部構造を、ARで視認できるようになりました。
スマートフォンのカメラ機能を使用すれば、芸能人やタレントといっしょに撮影をしたかのような写真が撮れます。
SNSのキャンペーンと合わせて「バズり」を狙うこともできるコンテンツです。
オリックスバッファリーズはBs夏の陣2023特別企画として、「キングオブコンビARフォトブース」を京セラドーム大阪に設置しました。
ARを使用して、まるですぐそこに「キングオブコンビ」のメンバーがいるような写真を撮れるキャンペーンを行いました。
など、大盛り上がりな企画でした。
リアルとARを組み合わせた新感覚ゲームとして楽しめるゲームイベントも人気です。
謎解きやシューティングといったゲームを現実世界で体感できます。
「株式会社ハレガケ」の手掛けた「NAZOARナゾアール」というARを使用したリアル謎解きゲームの「空の展覧会」はスマートフォンを用いたゲームイベントです。
空の額縁にARアプリをかざして謎を解いていきます。
人気を博し、参加したユーザーの97%が満足したとアンケートで答えています。
続いて、ARイベントがどうして人気なのかといった理由や、ARの魅力をご紹介していきます。
ARはCGの画像・動画を現実世界に重ねます。
そのため、今まで小説や漫画、アニメ・映画の中でしか見られなかった非日常の体験を実際に味わえます。
空想の世界で描いてきた魔法やゲームの世界を、現実世界で楽しめる新感覚のイベントです。
これぞ、ARならではの楽しみ方ですね。
ARイベントは従来のイベントのように、大がかりな工事をする必要がありません。
大規模イベントを行う際の工事による環境問題への影響も少なくできます。
また、タブレットやPCを導入してイベントができるので導入しやすく、費用や時間のコストを抑えられます。
お客様がお手持ちのスマートフォンやタブレット、PCを活用してもらえれば、機材の用意などの費用をほかの部分に回せます。
「お客様がお手持ちのスマートフォンやタブレット、PCを活用して参加できる」という点で、多くの人にとって、イベントへの参加ハードルが低くなります。
また、ARで質の高いイベントを実施すれば、お客様は「面白い」「楽しい」と感じてくれます。
お客様がプラスの感情を持てば、イベント会場内の回避率や滞在時間も向上します。
その気持ちや体験は、SNSや口コミを通じて、友だちや家族、知人へシェアされます。
SNSの投稿が呼び水となり、ARでのイベントという話題性から集客力へとつながること、間違いなしです。
ARを活用したイベントの中でも特に話題となったものを5つご紹介します。
株式会社Psychic VR Labは、西日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR西日本コミュニケーションズ、株式会社JR西日本イノベーションズと共同で、2023年10月14日と15日に、JR大阪駅周辺で「時空を超えて列車で旅するARスタンプラリー」を実施しました。
スマートフォンアプリ「STYLY」を利用して、設置されたARマーカーを読み取ると臨時特別急行列車として人気がある「WEST EXPRESS銀河」が走る様子や、車窓からの景色を楽しむことができ、まるで実際に乗っているような体験ができます。
「JR大阪駅うめきた地下口」改札前のゴールに見事たどり着き、スタンプラリーを達成した参加者には、鉄道専用SNSアプリ「Railil(レイリル)」のオリジナル「鉄道カード」が貰えました。
ARアプリをダウンロードし、ドラゴンボールのスタンプを集めるウォーキング系イベントです。
参加者はドラゴンボールの主人公・孫悟空が着ている道着をモチーフにしたTシャツを着用し、ドラゴンボールを集める修行をしながら、完走します。
制限時間はなしで、ドラゴンボールのファンであれば大人も、子どもも楽しめるイベントです。
ドラゴンボールランの東京エリアの参加者は3,000人を超えました。
国民的ユニット歌手のいきものがかりは2020年にソニーストアで、ARライブを体験できるイベントを開催しました。
店頭のXperiaTMを操作してスマートフォン越しでライブがスタートします。
360度の角度からライブを楽しめる形だったので、ファンからは大盛況でした。
「集英社」の「週刊少年ジャンプ」で大ヒットした漫画家「吾峠呼世晴」先生原作、「鬼滅の刃」のアニメとJTBのコラボです。
の2ヵ所で行われました。
アプリをダウンロードしてスポットを訪れるとアニメの音声やメロディーが流れます。
イヤホンを利用すると、まるで自分がアニメの世界に入ったような没入感を味わえます。
「株式会社カクシン」は新社会人の新生活を応援する、オリジナルのTikTokARフィルターを作成しました。
渋谷区のシンボルである秋田県のハチが新生活を応援してくれるARイベントです。
スマートフォンのカメラに自分の顔を映すとハチが出現し、ガッツポーズをすると応援してくれます。
ハッシュタグを用いて、みんなでお互いを応援し合う優しいきもちになるイベントが2024年の4月に開催されました。
最後にARイベントを取り入れるメリットについてご紹介します。
IT分野の急速な進化により、スマートフォンやタブレットなどで気軽にARを利用できるようになりました。
これにより、急激にARは発展し、現在は注目の的となっています。
さらに、2020年に新型コロナウイルス感染症が流行したことがきっかけとなり、企業の広告方式が見直されました。
例として、大手企業であるコカ・コーラやNIKEが火付け役となり、現在はARを使用したAR広告が大注目されています。
ここでは、AR広告の効果についてみていきましょう。
AR広告は、従来の広告よりもエンタメ性があり、情報の拡散効果が高いです。
なぜなら、AR広告は人間の視覚・聴覚と2つの感覚器官に効果を与え、人間のプラスの感情に訴えかけることができるからです。
目で映像を見て、耳で音を聞き取ることによって、人は「楽しい」「面白い」といった感情を引き出されます。
見る人・聞く人の興味関心を引き立てる、印象に残りやすいものは、共感されやすいです。
そのため、AR広告をそのまま転送できるX(旧・Twitter)やInstagram、LINEといったSNSとAR広告の相性は抜群です。
AR広告とSNSをかけ合わせることにより、「バズる」投稿がしやすくなり、拡散効果が高くなります。
商品の試用や体験イベントを通じて、ARを活用した企業のPRや広告ができます。
ARを活用すれば、何度でも商品を使用したり、体験できることから、多くの人に認知してもらえて、PRや広告効果を期待できます。
AR広告は集客力が高く、新規顧客へのアプローチが可能です。
「AR insider」によれば、ARを使用した広告キャンペーンは平均75秒のセッションが行われたと記事で報告をしています。
AR技術のマーケティングに特化した「OnePlanet」社も、ARを活用したWebブラウザの平均セッションが80秒を超えたと報告をしています。
また、世界をリードするEC会社の「Shopify」はARを導入すると購入率の改善がされ、『ARを含むコンテンツは、ARを含まないコンテンツよりも94%コンバージョン率が高い』と報告しています。
それだけでなく、ARを導入すると注文コンバージョン率が40%向上するとSNSで報告をしています。
また日本のZ世代(1996〜2010年生まれ)の40%がARを使用している現状です。
AR広告は従来の広告よりも、人の目に触れる機会が圧倒的に多いので集客力があります。
また、ARを使用することの多い若い世代もターゲットとなり、広告内容をアピールできます。
アメリカの「Goldman Sachs社」の試算によると、2025年にはAR・VRを合わせた市場規模が、最大750億ドル(約11兆6,027億円)相当になると予想されています。
また、イギリスに拠点を置く世界最大級のコンサルティングファームである「PwC社」は、『AR・VRが2030年に世界のGDPの1.5兆ドル(約195億円)を押し上げる可能性がある』と報告書での発表を行いました。
専用デバイスが必要になるVRに比べ、すでに手持ちのスマートフォンやタブレット、PCで手軽に始められるARの方が需要が伸びるのでは、と期待されています。
AR技術はまだまだ発展途上であり、これから先もさらに発展していきます。
「XREAl Air」というARグラスを開発した中国の「XREAL社」は現在、人の脳波をキャッチした接触型のチップを介して脳波をARグラスに映し、簡単な指令を出すといった開発を行っています。
これに限らず、ARの可能性は無限大です。
今はできないことも、思いついたアイデアによってはARを活用していき、できることが増えていくのではないでしょうか。
ARの可能性は無限大であり、ARを使用することで
が期待できます。
すでに多くの業界でARを使用した新規事業が行われています。
ARを使用した新規事業を立ち上げたのはNIKE、資生堂、花王、ドミノピザ、IKEAと一度は名前を聞いたことのある有名企業ばかりです。
「現在の事業が伸び悩んでいる」「発展する目処がない」と悩んでいる方は、ARを導入してみてはどうでしょうか。
今回の記事でARイベントとは何か、その魅力は伝わりましたか。
ARイベントは
です。
新型コロナウイルス感染症に感染する人数も減少しつつあります。
2024年のGWは約4人に1人が外出を予定しているそうです。
中でも、「買い物」と「日帰り国内旅行」が大注目されています。
これを機にARイベントを実施してみませんか。
「GWまでにARイベントの準備が間に合わない!」とお悩みの方は、まだまだARイベントの少ない
といったイベントシーズンにARを導入してみるのはいかがでしょう。