ARが世に普及するようになり、ARは私たちの生活に欠かせないものとなりつつあります。
日常で使用するアプリだけでなく、企業や団体のビジネスでも利用されています。
事業のプロモーションやPR、業務効率化と幅広くARアプリを利用している企業・団体が増加しているのです。
今回は、ARアプリを事業で利用する際のメリットと事例をご紹介します。
「AR」とは「Augmented Reality」の略です。
和訳すると「拡張現実」となります。
スマートフォンやタブレット、PCなどのデバイスを通じて、デジタルで作られた画像や映像、3DCGを現実の風景や物体に重ね合わせることです。
ARには
の4タイプがあります。
それぞれ、どのようなものかご説明します。
「位置情報認識型」は、スマートフォンを始めとしたデバイスの位置情報(GPS)をもとにしてARを表示します。
リアルタイムで地図情報や目的地への経路がわかります。
あらかじめARが表示されるように設定され、GPSと連動している場所へ行くとコンテンツが表示されます。
活用事例は
です。
「画像認識型」は、特定の写真やイラスト、文字を画像認識してARを表示します。
企業プロモーションやPRといった広報活動で使われることが多いです。
画像を認識することにより動画の視聴ができますが、画像の照度といった環境に左右されやすい弱点があります。
活用事例は
です。
「空間認識型」は、現実世界の空間をスマートフォンを始めとしたデバイスのカメラやセンサーで認識して、画面をタップすることでARを表示します。
空間の高低差、大きさ、奥行きを認識する形なので、ARの表示位置を調整できる点が特徴です。
活用事例は
です。
「物体認識型」は、特定の立体物を認識すると対象物に関連したARを表示します。
360度対象物を認識する点が利点ですが、3Dを読み込むという点で他のタイプよりも開発・導入が難しい点が弱点です。
活用事例は
です。
数多くあるARアプリですが、その種類は大別すると
の2種類となります。
どのようなアプリが、この2種類に分類されるのでしょうか。
プライベートでエンターテイメントを楽しむタイプのアプリです。
ゲームやスポーツ写真撮影、イラスト作成ツールで使用される機会が多いです。
有名なのは
です。
生活を豊かにするためやビジネスで事業や商品の説明にシミュレーションで利用されるアプリです。
家具やコスメなどのライフスタイルやビジネスの場で使用される機会が多いです。
ARアプリを使用する際に必要なものは
の2つです。
ARを手軽に体験できるデバイスは
です。
端末やOSが古いとARに対応しておらず使用できない恐れがあるので、注意してください。
他にも
などがあります。
多くのARアプリは、インターネット環境が必要となります。
大手キャリアのモバイルデータを使用することもできますが、データを多く消費し、通信料金がかかってしまいます。
その結果、長時間の利用が難しいです。
ARアプリを使用する場合は、長時間安定して使える
が、おすすめです。
急速にARアプリが普及している理由はなんでしょうか。
それは
からです。
詳しく解説します。
ARはVRのように専用デバイスであるゴーグルやヘッドセットを準備する必要がありません。
手持ちのスマートフォンやタブレット、PCにARアプリをインストールして、簡単な操作法で使用できます。
始める敷居が低く、いつでもどこでも利用できるので、お手軽です。
ポケモンGOが2016年にリリースされて以降、ARはゲーム以外の活用法が増加しています。
ポケモンGOの世界的ヒットによってARが注目され、またIT開発分野の急速な発展により、ゲーム以外の分野でも活用されるようになったのです。
と、あらゆる分野でARが導入されています。
なぜビジネスでAR技術の需要が高まっているのか。
それは
ことが要因です。
「ARを作るのは大変だし、コストもかかるんだろう?」とお思いの方もいるでしょう。
たしかに事業にARアプリを取り入れるには、ARアプリについての知識が必要です。
コストもかかります。
しかし、長い目で見ればARアプリを導入した方が
といった多くのメリットがあります。
ARアプリを作成するツール・システムの中には、
といった、簡単かつ無料でARアプリを自作できるものもありますよ。
ARアプリは企業や団体の商品やサービスの提供をサポートします。
どのようなサポートをする使い方があるのかを3つご紹介します。
商品やサービスについて映像、動画といった視覚・聴覚に訴えるARアプリを使用して、プロモーションを行います。
またARアプリを使うこと自体が、事業の世界では一般的ではありません。
そのため「新たにARアプリを使うことになった」といった内容をSNSや公式HP、公式ブログに記載するだけでも、プロモーションになります。
従来は商品のデモンストレーションを行う際に外出し、店舗へ足を運ぶ必要がありました。
しかしながらARアプリを使えば
といったことが自宅にいても手軽にできるので、購入率の増加を見込めます。
ARアプリを使ったガイドはあらゆる場面で利用者の助けとなります。
周囲に人がいない状況でもARアプリで道を確認することができますし、情報ガイドや音声ガイドは日本語がわからない海外旅行者、目の不自由な人の力となります。
ARアプリを導入することで正確な情報を提供することができるのです。
ARアプリは事業を行う事業者もサポートします。
どのように事業者側をサポートするのか、2つご紹介します。
物流業界のように人員が少なく、仕事量の多い分野での業務をARアプリはサポートします。
品物の積み方や配置場所、詰める順番をARアプリが教えてくれるので、従業員は荷物を安全に届ける業務に専念できます。
ARアプリを使用した指導マニュアルにより、従業員は業務内容を理解することが簡単になります。
また医療関係者や製造業者、工場勤務者といった手を使った仕事を行う人たちの職業訓練として活躍します。
それでは、実際にどのような分野でARアプリが活用されているのか、一例をご紹介します。
エンタメ分野ではARアプリを用いたライブやスポーツ観戦、街中を舞台にしたスタンプラリーなどがあります。
一例としては美少女VTuberの「ホロライブ」のライブでの利用や、バレーボールの観戦にARを使用した「NEC Online TV」、兵庫県神河町の観光施設や名所を動画でめぐる「かるたで神河めぐり」があります。
家具では「IKEA」の「IKEA Kreativ Scene Scannee」で室内の家具を配置したり、削除できます。
不動産では「大京穴吹不動産」の「ARホームステージングサービス」でスマートフォンを通して家具や小物を配置した部屋の確認ができます。
アパレルでは「H&M」が写真共有アプリの「Snapchat」とコラボし、アプリ内で仮想試着ができるサービスを提供しています。
化粧品では「資生堂」がスキンケア美容法をサポートする「Beauty Ar Navigation」を開発しました。
中央ジャカルタにあるサリナ・デパートの地下フロアに点在するスーパーマーケット「パサリーナ」は商品の表示をアプリで読み込むと産地情報や栄養情報が詳しく表示されるARショッピングを導入しています。
別機能では、売り場へ案内してくれるガイドの表示があります。
東京国立博物館の「トーハクなび」は展示品の詳しい情報が写真や動画付きで表示されます。
またAR音声ガイドの使用も可能です。
「NEC」の「ARピッキング」はピッキング作業における必要な情報を確認することができ、ミスなくピッキングを行うことができます。
それではARアプリを活用する際のメリットについて
それぞれの場合についてご説明します。
ARアプリを導入した企業はどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
メリットを4つご紹介します。
ARアプリを使用することにより、商品を購入したときにどのような効果を得られるか、体験ができるかを画像や映像で提供できます。
その結果、お客様は自分が商品を使用した未来を想像し、商品が価値あるものであると認識します。
結果、商品の価値が高まるのです。
立体的に商品を表示することや、アプリ上で商品を試すことができるので高倍率が高くなります。
その傾向はECサイトで特に強いです。
それだけでなく、ARという新技術を体験したいと強く考える若年層を新規顧客として獲得できますよ。
注意点がひとつあります。
それはARアプリのサービスによっては利用者の行動データをとれず、マーケティングに利用できないことです。
ARアプリを導入する際に確認することを、強くおすすめします。
ARが作業のサポートをすることにより作業を効率的に進めることができます。
そのため人手不足で困っている業界や、新型コロナウイルス感染症のような世界規模の感染症に従業員がかかり、人員減少となってしまったときでも通常通り業務に対応することができます。
研修や指導の際にARアプリを使用することで研修・指導内容の一律化や、時間短縮といった効果も得られますよ。
ARアプリを利用する際の顧客のメリットとはなんでしょう。
2つご説明します。
「商品を購入したら思っていたものと違った」と返品や買い直しになってしまうことがあります。
しかしアプリであらかじめ試着をしたりといった商品を試してもらうことによって、購入時のミスが激減します。
その結果、お客様はスムーズに満足のいくお買い物をすることができるようになります。
また商品のガイド機能が搭載されていれば、どういった品物かという情報を多く知ることが可能です。
店舗に行かなければ購入できない商品、受けられないサービスをARはどこにいても実現します。
新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言により、外出ができなくなってしまいました。
また災害が起きると商品購入やサービスを受けることが困難になります。
ですがARアプリは病気や災害が発生した場合でも、商品の購入やサービスを提供できます。
実際にどのような企業・団体がARアプリを利用しているのか、活用事例を5つご紹介します。
放送前プロモーションとしてARツール「LESSER」を活用しました。
夕暮れ時の空にスマートフォンをかざすと主演キャストのボイス入りAR動画が届く企画を実施しました。
動画再生数は1週間で9.6万回、X(旧Twitter)での投稿数は1,000件以上となりました。
プロモーションは大成功しました。
「やおきん株式会社」は「第1回うまい棒総選挙」をARアプリを使用して行いました。
動画の再生数は6,900回以上、残念賞のARフォトフレームの撮影率は90%を超えました。
TVのニュース番組やLINEニュースでも取り上げられると大反響でした。
「ACG株式会社」は「Web AR」の生産技術部の開発現場で使用しました。
生産速度の向上などを図っています。
開発者間のコミュニケーションの促進や、設備開発のスピード向上により素材開発全体のスピードアップへとつなげていく予定です。
自動車会社の「テスラ」はARグラスを使用して従業員の作業効率化を図りました。
ARグラスで従業員に作業内容を図解、車の点検時の異常検知、製造ロボットの設置確認といった機能が搭載されています。
「平野電業株式会社」は「架線検査記録アプリ」を活用しました。
黒板が不要になり、スケールを仮想的表示、寸法の自動チェックで間違いを防止し、報告書が自動作成されるようになりました。
その結果、業務効率化となりました。
ARを始めとしたメタバース市場は2030年には、世界で1.5兆ドル(約200兆円)を超えると予測されています。
日本も年50%で成長する見込みです。
VRよりも導入がたやすくコストがかからないARアプリは、今後さらに発展する可能性が非常に高いといえます。
今後は医療・福祉、都市開発・計画といった業界での活用が期待できます。
今回の記事でARアプリがどういったものか、イメージすることができたでしょうか。
ARアプリは
です。
メリットがたくさんあるARアプリ。
現在、事業が伸び悩んでいる方は、これを機にARアプリを導入してみるのはいかがでしょう。